夢日記⑤
僕はハゲとは無縁の人生を送るものだと思っていた。
両親共々、そしてその祖父母も誰一人として薄い人はいない。
皆んなフッサフサだ。
毛量が遺伝で決まるとしたら僕は真っ先に除外されるだろう。
なんなら毛深いほうであるし。
薄さよりも濃さでのほうが悩んだ時間は長い。
小学生の頃にすね毛が濃いのを気にして剃り始めた。
もちろん毎日のケアなんかするはずもなく、チクチクしだした足を友達にからかわれたこともあった。
なるべく足を出さないように年中長ズボンで過ごした。
暑くないのか?の問いにも「沖縄出身だから平気なんだ」と訳の分からない事を言ったこともある。
初任給も安物だが脱毛器を購入したほどだ。
今はどこに行ったのかわからないが。
そんな僕がハゲているのだ。
先日お風呂あがりにふと鏡をみたら、いつもよりおでこ広くなってないか?
と疑問に思い「こりゃハゲてしわうわ〜」
と誰もいない家で一人でニタニタ笑って突っ込んでと小芝居をしたが、
まさか一晩でまるっと言ってしまうとは思わなんだ。
いや、まるっとはイッていない。
前髪がどこまでもめくれるのだ。
頭の頂点から少し後の毛がおでこに垂れているのだ。
昨日自分がハゲる訳ないとタカを括っていたからか。
この所在宅が続いて知らぬ間にストレスを感じていたのか。
たまたま見た若はげ系YouTuberの動画を見てしまったからなのか。
原因は定かではないがパカパカして中がピカピカのテカテカなのだ。
という夢を見た。
もちろんパカパカではなかったが、おでこは広がっている気がした。