ビーチパーティ
友人と海に来ている。
大学1〜2年生の時に一緒に授業を受けていただけの人。
面白いし全然話せるが、サークルが異なるから(それだけではないが)会う機会もなくなっていった人。
面白い奴なのだが女癖が悪いのがたまにキズであり、そんな破天荒な所に密かに憧れている友人。
そんな友人と海に来ている。
砂浜でのんびりしている。
遠くの海岸線をゆっくり舐め回すように見ていると。
左手の遠方に僕の彼女が。
なんで来ているんだろう。
海が嫌いと言っていたような。
彼女も友人に連れられてきたのかな。
疑問に思いながらも彼女の行動を観察していると。
「あっちに凄いいい女がいる」
友人の声につられて右手遠方をみると、僕の会社の同僚がいた。
あまり大きな声では言えないが僕は彼女に好意を抱いている(のかもしれない)。
彼女がいながら贅沢な。と言われるかも知れないが、好きになってしまったのだから仕方がない。
僕こそどうにかして欲しい。
勿論、自慢ではないが僕は彼女と話したことはない。
会社内ですれ違えば、もちろん会釈はする。一方的であっても。
そういえば、前に1度飲みに行った?事はあるが、人数が多かった上運悪く一番遠い席になってしまったので、僕はなにもできずじまいだった。
そんな彼女が同じビーチにいる。
夏の海に想いを寄せる人が偶然いるなんて、これはなんてドラマチックな展開であろうか。
月9間違いなし。名作トレンディドラマの第一話として大いに盛り上がること間違いなしだ。
普通で有れば。
先にも申し上げた通り、僕にはお付き合いしている女性がいる。
(「彼女」が被ってわかりづらいので、ここではお付き合いしている女性をa子、憧れのマドンナ同僚をbさんとする。)
a子とは長い付き合いで学生の頃からの仲である。僕はまだ決断もなにもしていないし、する気もまだないのだが、周囲が結婚をはじめ、お前もそろそろだろといわれ、むず痒い思いは多々している。
しかし、私はa子としか女性経験がない。
ありがたいことにa子に男にしてもらい、そして大人にして貰った。
感謝しきれないが、男とはなんと罪深いものだろう。
いや悲しい人間の性分なのだろうか。
bさんに出会った時になんとも言えないトキメキを抱いてしまったのだ。
もう一挙手一投足にキュンキュンだ。
恋はいつでもハリケーンなのだ。
こんな事一人悶々とビーチにうつ伏せになり悶え苦しんでいると、気がつけば女癖の悪い友人はbさんの元に走り出しているではないか。
これはいけない。
友人を放って置いてはいけない。
友人代表として破廉恥な好意を止めなければ。
そしてあわよくばbさんとお近づきに、、、
いやいや、a子に気づかれてはまずい。
ふとa子を探すと、なんと男野郎に声をかけられているではないか。
これもいかん。
褐色に焼けた金髪ピアス男なんて話すだけでもいかん。
今すぐに駆け寄り「よう、偶然。」
と何気なく声を掛けて終戦させなければ。
だがしかし、右手ではbさんの喉元に既に友人の手が
ああ、左手のa子の肩に金髪野郎の手が、、
ああ、どちらを取るべきか、、
ああ、、神様よ、なんでこんな楽園を修羅場に変えてしまったのか、、
という夢でした。
なんでこんな所で終わるのか。
結論だけ聞かせろ。
という声が聞こえるがそんなものは知らない。
ここまでが夢だったのだ。
僕は素直に書いたまでなのだ。
この先はバクにでも喰われてしまったのだろう。
続きが見たいな。